楽譜の印刷と製本

アマチュア・オーケストラに入団するなどすると、交響曲など15~20ページもある楽譜を製本する必要があります。実は楽譜の製本は、楽器の演奏と同じ位、大事です。個人練習できる時間があるなら、初回練習までにちゃんと製本しておいた方が良いです。アマオケの練習で製本していない譜面を使うと、同じプルトの人に迷惑になってしまいますよ。

購入しているか、フリーの譜面を使うか

お金のある楽団はきちんと正規の出版社から必要な数の楽譜を購入して、配布する場合もあります。その場合は、製本の必要はありませんが、配布して演奏会が終わった後に回収されます。書き込みなどは次回演奏する際にも使えます。指揮者が変わると弓順など変わることが多いので、消して書き直すことになります。

また校訂されている曲の場合は、指揮者のスコアと同じ校訂者のバージョンを使う必要があり、客演指揮者主体のオケの場合、年間数万円の出費になります。団費を考えると、フリーの楽譜を使うアマオケの方が良いとも言えます。

近年はIMSLPなど、フリーのサイトでしっかりした楽譜が配布されているため、そのパート譜をPDF形式でダウンロードして使うことが多いです。よく演奏する楽曲だけ購入する楽団も多いです。

ポピュラーの曲はIMSLPには無い

最近作曲された楽曲などは著作権が切れていないので、IMSLPにはありません。

一般的な市民オケの場合、ロマン派かそれ以前の曲を演奏する場合が多いため、作曲から100年以上経っている場合がほとんどで、著作権も切れています。

たまに比較的最近作曲された曲、特にスタジオジブリの曲やディズニーの曲などポピュラーを演奏する場合は、正規の出版社から購入する必要があります。

PDFを印刷する

PDF形式で楽譜が配布される場合、印刷してから配布することもあります。この場合、製本されていない状態で配布されます。またPDF形式ファイルのURLをメールで送付することもあります。この場合、自分で印刷して製本することになります。

A4またはB4で印刷します。A4は家庭のインクジェット・プリンタで印刷できます。楽譜の印刷だけなら、そこまで大量に印刷する訳ではないですし、色も黒一色でOKです。

B4の場合、一度A4で印刷してからコンビニのコピー機でB4に拡大コピーします。

B4はほとんど家庭用プリンタは対応していません。探せばA3まで印刷できるプリンタもあります。頻繁に印刷する方にはA3機のプリンタがお薦めです。

ただA3機は結構場所を取るため置き場所を考える必要があると思います。またインクジェットなので、水に濡れるとにじみやすい、というものあります。

コンビニでB4印刷

近くにコンビニがあれば、大抵USBメモリなどから印刷できます。頻繁に印刷しないなら、この方法が一番合理的ですね。B4サイズでも一枚10円で印刷できます。製本を考えて「少し小さめ」で印刷すると丁度良いです。

ただ、どのPDFでも印刷できる訳ではありません。IMSLPなどのPDFは印刷できない場合も多いです。そんな場合は、PDFファイルを一度開き、ウィンドウズの印刷機能を使ってPDFで再出力すると問題なく印刷できます。

楽譜の製本

楽譜の製本は意外と手間がかかります。比較的簡単な方法をご紹介します。

B4の譜面を製本

B4の譜面の製本は、まず片面ずつB4で印刷されていることが前提です。左右は決まっています。譜めくりをしやすいように、左側の譜面の最後に全休符が来るようにしている場合が多いです。

配置を確認したら、まず両面をスティックのりで接着します。スティックのりはしわが出にくい逸品です。

次に紙テープで製本します。ニチバンの紙テープは、とてもしなやかで、十分な強度がある上、譜めくりもしやすいです。文具屋には意外に置いていないので、入手には通販で5つ程度まとめ買いしておくことをお薦めします。

ニチバンの紙テープ(18mm)

もちろん楽譜製本用のテープだと、譜めくりしやすい上、見た目も綺麗に仕上がります。

楽譜製本用のテープ

ニチバンの紙テープはヨレやすいのが玉にきずですが、製本してみてヨレが気になる場合は、最後に製本テープを使って補強することもできます。この場合、譜面があるページではなく、表紙や白紙のページに製本テープを使うのが良いです。譜めくりし易いことが大事です。

B4だと大きすぎる場合

B4だと持ち運びが大変、という場合は、B4で印刷してから余白をカッターでカットして製本すると良いです。

左右方向はカットすると譜面が楽器ケースに入るようになる場合があります。左右方向はカットしてから製本する必要があり、同じサイズにカットするのが意外と大変です。以下のような裁断機があると便利です。

大抵上下は余白が大きいので、高さはかなりカットできます。上下方向のみなら製本してからカットしたほうが綺麗にできます。ギリギリにはしないで多少余白は残しておいた方が書込みに便利です。譜めくり対策で前後のページの楽譜の一部を張り付けたりすることもありますので。

A4の譜面を製本

一般的にはB4サイズを使う場合が多いですが、A4サイズでよい場合は、A3用紙に横並びで印刷すると、あとはスティックのりで張り付けるだけで完成です。

プリンタによっては製本用のレイアウトで印刷できるものがあります。両面印刷して、製本用ホチキスで止めれば出来上がりです。

製本用ホチキス

ただ両面コピーの場合、一般的なコピー用紙は薄いので裏側の譜面が透けて見えます。また書き込みをするにも、ある程度厚みがある方が良いです。市販の製本済みの譜面の場合、厚めで透けにくい用紙が使われていますし、書き込みもしやすいです。

何度か譜めくりして馴染ませる

製本したら譜面台上でめくってみてください。スムーズに譜めくりできるでしょうか。製本したばかりだと馴染んでいないので、何度か譜めくりしておくとスムーズに譜めくり出来るようになります。特に丈夫な製本テープを使った場合は最初は譜めくりしにくい場合があるので、何度か譜めくりしてクセを付けておくなど、スムーズに譜めくりできるようにしておくことが大事です。

まとめ

オケの弦楽器の場合、プルトで一つの譜面を使います。製本した譜面は本番で同じプルトの人も一緒に使うかもしれません。隣がエキストラさんだった場合、きちんと製本していないと失礼になってしまいます。

しっかり製本して、手早く弓順や指示を書き込めることが大事です。書き込みに手間取って、大事な注意事項を聞き逃してしまうことも良くあります。

またオケによってはエキストラさんを多く呼ぶ必要があり、その譜面を団員が手分けして製本することがあります。譜めくりや書き込みなどがしやすくなるよう、しっかり製本したいですね。