音程を取るための鍵盤

ヴァイオリンなどの弦楽器はとても音程が取りにくい楽器です。

弦楽器の音程

弦楽器の音程について、少し考えてみます。

ヴァイオリンにはフレットがない

まずギターなどと異なり、フレットがないことが挙げられます。現代の楽器ではギターと比べていますが、バロック時代に良く弾かれていたヴィオラ・ダ・ガンバはフレット付きです。またリュートの仲間もフレットがついています。バロック時代のヴィオラの仲間にもフレット付きの楽器がありました。

これらの楽器は一度チューニングすれば相対的な音程は固定されたフレットの近くを指で押さえることで、比較的正しい音程を取ることが出来ます。

しかし、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロはいずれもフレットが無いので、自分の耳で音を取る必要があります。録音して練習すると分かるように、人間意外と自分の演奏を聴けていないので、音程がずれていても気づかないことが多いです。

ヴァイオリンのハイポジションの音程

ヴァイオリンだと特に高音域のハイポジションが難しく、少し指を傾けただけでも半音位ずれてしまいます。意外に半音近く間違っていたとしても気づかない位、弾いている人は音程に鈍感になりがちです。ベテランの人でも結構音程の狂いは大きいです。

オケの練習でパートで一緒に弾いたりすると音程の差はとても目立ち、ひどい音色になったりして弾いている人も驚く位です。特に高音域の音程は人間の耳で聴き取り易いため、とても目立ち、アマオケでも良く注意されます。

ヴィオラとチェロ

ヴィオラやチェロは、楽器のサイズが大きめで低いポジションの方が音程が取りにくいです。ヴァイオリンだとある程度、指の幅を基準に音程を取ることも出来ますが、ヴィオラやチェロの場合、それだと狭すぎるのです。特にヴァイオリンからヴィオラに移った人は、それで音程が悪くなったことに気づかない場合が多いです。

コントラバスはさらに大きく、音程が取りにくいです。昔のコントラバスにはフレットがありました。低音域は人間の耳が鈍感なこともあり、多少の音程の違いは目立ちにくいですが、オケでは響きを支えるパートなので、しっかりした音程で弾けると良いですね。

チェロやコントラバスは、指の位置を決めることも大事ですので、初心者のうちは指板にシールを貼って置くことも有効です。

鍵盤楽器で音程を確認

音程には色々な要素があって、ピアノが正しい音程である、とも言い切れません。それについては次のページで書いて行こうと思います。

アマチュアならまずはピアノや鍵盤楽器で音程を確認しておくこと現実的です。ピアノを弾かない方も、何かしらの鍵盤楽器を準備して、人差し指一本で良いので、音を確認する(音を取る)ことをお薦めします。

ピアノがあれば、それでOK

もし、貴方がピアノを持っているならば、ピアノで音を取ればOKです。ピアノの音程はAが435Hzまたは440Hzでチューニングされていると思いますが、アマオケでは442Hzが多いです。なので少し違いますが、相対的な音程は同じですし、それで十分です。

ピアノが無い人は?

貴方がピアノを弾かないならば、ピアノを買う必要はないですが、電子鍵盤楽器を準備するのが良いです。

音を取るのに使いやすい電子ピアノの条件
  • オルガンなど、ロングトーンの音が選択可能
  • 3オクターブ以上の鍵盤があること
  • 常時設置可能なサイズ
  • オクターヴの音の高さが変更できること
  • 和音が弾きやすいこと

音色の選択が出来て、オルガンなどのロングトーンが出せる楽器が良いです。電子ピアノなら多くのものがオルガンの音を選べます。ストリングやストリングスなどの方が近いとも思えますが、大抵ヴィブラートがかかっているため、シンプルなオルガンの音が良いです。

本格的すぎるとピアノの音を高いクオリティで再現しますが、それはピアニスト向きですね。

新たに電子ピアノを買う場合は、その設置スペースも考慮しておきたい所です。電子ピアノは色々なサイズのものがあります。鍵盤の数もモデルによって異なります。普通のピアノの鍵盤は88鍵あって、幅はかなり大きいです。弦楽器の音域を考えると3オクターヴあれば大体OKです。オクターヴの高さが変更できるモデルが良いです。

常に練習スペースの脇に置き、必要な時すぐに音の確認ができると良いです。

スペースを考えると、幅は鍵盤数で決まりますので、奥行きが小さいことが選択のポイントです。これは台も含めて考えたほうが良いです。最近は奥行きの小さなコンパクトな電子ピアノが売っていますので、それらの中で選ぶといいと思います。

以下の電子ピアノはコンパクトで、オプションのスタンドを使って常時設置できます。

カシオの電子ピアノは鍵盤が小さくてプアなので、スムーズに弾くには少し物足りないのですが、多機能で音を取るだけなら十分な機能があります。

持ち運びに便利なロール・ピアノ

ロール・ピアノは丸めたり、折りたたむことが出来ます。必要な時だけテーブルに広げて弾くことが出来ます。ただ実際使ってみると弾きにくいものが多く、柔らかいのでしっかりしたテーブルが必要です。テーブルを片付けて広げる作業も案外面倒なので、音の確認が面倒になってしまうかも知れません。

折り畳み式電子ピアノは、割と弾きやすいです。(MIDIキーボードはパソコン等が必要なので、ご注意ください。)

ロール・ピアノは持ち運ぶ場合は便利です。丸めたり畳んだりすると十分小さくなります。普段は自宅に広げておいて、持ち運ぶ必要があるときだけ畳んで持ち運ぶ、といった使い方が出来ます。

まとめ

弦楽器は音程が取りにくい楽器です。基準となる鍵盤楽器を準備する必要があります。鍵盤楽器を持っていない方は、電子ピアノなどを準備しましょう。

弦楽器は純正律では?という意見もあると思いますが、転調の多いロマン派以降を考えると難しい話なんです。細かい音程については先生やアマオケのトレーナーの方が教えてくれると思います。まずは、鍵盤楽器に合わせて音を取っておくことが大事ですね。