松脂を選ぶ

松脂

ヴァイオリンをはじめとする弦楽器は、弓で擦っただけでは滑るだけっで音は出ません。松脂を塗ることで引っ掛かりがよく鳴り、音がでるようになります。毛替えした直後に松脂なしで弾いてみると全く音が出ず、松脂の威力を実感できます。

松脂を選ぶポイント

松脂は塗ってすぐに音が変わるアイテムです。松脂の種類によって弾き心地も変わりますし、音色も変わります。弦を変えるよりも安く、色々試してみることが出来ます。

どのように松脂を選ぶべきでしょうか?まずは一般論に近いですが、書いてみたいと思います。

松脂の種類 (ダークとライト)

主にダークライトがあります。

ダークは粘性が高めで、ひっかかりが良いです。

ライトはサラっとしていて、弓スピードを速くして弾くときに適しています。

ただこれは本当に大まかな違いです。実際は製品によって異なります。実際塗ってみると違いは大きく、本当に適した松脂か?は好みも含めて、実際に塗って弾いてみないと分かりません。

湿度や出したい音色によって選ぶ

適した松脂は湿度によっても変わってきます。特に日本は季節によって湿度が大きく変わります。例えば、関東では秋~冬、3月位まではとても乾燥しています。梅雨の季節になると急に湿度が上がり、夏も湿度は高いです。

湿度が高い時期はライトでサラっとした松脂の方が良いです。湿度が低い時期は、ダークの方が良いです。室内でエアコンを付けて練習すると思いますので、それによっても湿度は大分変わってきます。

楽器や弓との相性もある

弦楽器本体や弓との相性もあります。特にはモノによって重さが異なります。重い弓はサラっとした松脂が良く、軽めの弓は引っ掛かりが良い松脂が良い場合が多いです。弓と本体の相性によっても随分変わるため、一概には言い難い所です。

初心者は引っ掛かりの良いものを

サラっとした松脂は湿気の多い日本には良い場合も多いですが、最初のうちはしっかりしたボーイングを学ぶため、引っ掛かりの良い松脂がお薦めです。サラっとした松脂は横滑りもしやすいです。引っ掛かりの良い松脂だとしっかりした音を出しやすく、ボーイングを意識しながら練習できます。

ある程度上達したらライトの松脂を試す

上手くなってくると弓のコントロールも利くようになってきます。また弓元から弓先まで満遍なく使うこと、弓スピードを速めてコントロールすることの大事さも分かってきます。

アマオケなどで弾くなら、最近の流行もありますが、ヴィブラートは少な目で弓スピードを上げて弾く方が好まれています。音量も大事ですが、ピアニシモで弾くときや、長い音で弓スピードが上げられるように、今までよりもサラッとした松脂を含めて、一度見直すのが良いです。

おすすめの松脂

ここではいくつかお薦めの松脂を挙げていきます。筆者も全部では無いですが、結構色々な松脂を試しました。あくまで個人の感想ですが、その経験も踏まえて書いてみます。

松脂は3つ位はあると便利です。落とすと割れますので注意が必要ですが、一度買えばとても長く使えます。松脂は音に与える影響が大きい割に高級なものでも値段は数千円なので、値段よりは好みで選ぶのがいいと思います。値段が少し高め(2000円~3000円)の松脂は少し高級感があり、ノイズが少なく、弾いていてクオリティの高さを感じ取れます。

ミラン「黒猫」

フランス製のミラン「黒猫」の松脂は、長く使われてきた最もスタンダードな松脂です。ダークとライトがあります。

初心者で迷っている人は、まずは「黒猫」のダークをお薦めします。初心者にも適度に弾き易い松脂です。もちろんベテランの人にもお薦めです。

しっかりしていて弾き易いですが、スタンダードなので、大きな特徴が感じられない松脂でもあります。弦で言えばドミナントみたいな位置付けでしょうか。これを出発点に他の松脂も試して、自分好みの松脂を見つけられると良いですね。

アルシェ

とても引っ掛かりが良く、同時になめらかさもあり、弾き心地の良い松脂です。

日本製です。日本の気候や日本人の好みにあっているように思います。とても人気がある松脂ですね。

値段は少し高めですが、それに見合うクオリティがあります。楽器からしっかりとした音色を引き出し、上手くなったような気がする位です。練習が楽しくなりますね。

ヴァイオリン、ヴィオラ向けはSoprano, Altoがありますが、Altoがアルシェらしい特徴を持っていると感じます。チェロ向けにはTenorがあります。廉価版のEtudeもあり、これでも他の松脂との違いを感じることが出来ます。

初心者にも良い松脂です。初心者からベテランまで、お薦めできる松脂です。

メロス

ギリシャのチェロ奏者が作った松脂です。メロスの松脂は、しなやかさと柔らかみがあり、比較的サラッとしていています。それでいながら引っ掛かりも適度にあり、使いやすい松脂です。ヴァイオリンでも楽器や弓をあまり選ばず、汎用性が高いです。弾いていて面白みもある松脂です。

ダークは引っかかりが良く、太い音色です。

ライトは柔らかさと滑らかさがあるため、物足りなさは少ないです。ライトはサラっとした松脂の中でも弾き易く、メロスの特徴が良く出ています。

ベルナルデル

フランス製の松脂です。比較的サラッとしていて、クリアな音色です。湿気がある時でも気持ちよく弾けます。アルシェと共にクオリティが高く人気のある松脂です。

ある程度、基本が出来てきてアマオケなどに入っている人には、是非試してほしい松脂です。弓スピードが速めな場合にスムーズです。